自賠責保険への請求方法として、
「仮渡金請求」と「内払金請求」・「本請求」の3種類があります。

「仮渡金請求」は、被害者だけが請求することができます。
「内払金請求」と「本請求」は、加害者・被害者のどちらからも請求することができます。

○仮渡金の請求

「仮渡金請求」とは、加害者が賠償金を支払ってくれないときや、
賠償金の支払いを受け取る前など、当面の治療費が必要なときに、
まとまった金額を自動車保険会社から受け取ることができる制度です。

仮渡金の請求は、被害者だけが可能となっています。

~仮渡金の額~

○死亡事故の場合・・・290万円

○傷害事故の場合
・治療日数30日以上かつ、入院14日以上の場合と、
下半身(太腿あるいは、膝下)の骨折の場合・・・40万円

・治療日数30日以上または、入院14日以上の場合と、
腕(上腕または、前腕)の骨折の場合・・・20万円

・上記以外の治療日数が11日以上の場合・・・5万円

☆この時に必要な書類は、
・交通事故証明書
・診断書
・自賠責保険金支払請求書
・事故発生状況報告書
・印鑑証明書
となります。

☆ポイント
1. 仮渡金の請求は、”1回のみ可能”です。
2. 医師が作成した”仮渡金の診断書”と”請求書”が必要になり、
実際の仮渡金の額は、自動車保険会社が決定します。
3. 仮渡金の支払いは、請求後、約1週間となっています。
4. 自賠責保険の確定請求金額が、決まった時点で精算されます。

○内払金請求
「内払金請求」は、被害者・加害者を問わず、
入院雑費や治療費などの支払いが10万円を超えた時点で行うことができます。

総損害額が確定前で、入院によって治療が継続している場合などは、
保険金を請求することができません。

その場合、高額の負担となってしまうので、
被害者はすでに発生した損害が10万円を超える場合、
内払金請求をするのも1つの方法とされています。

この請求を加害者が行う場合、
実際に損害賠償金を支払ったと証明できるものが必要となるので、
領収書は必ず受け取るよう心がけることが大切です。

○本請求は損害額確定後に
「本請求」とは、被害者の治療が終了後、
損害額が確定した段階で行う最終的な請求となっています。

この請求は、加害者・被害者どちらからでも行うことができます。

加害者による本請求は、病院や被害者などに損害賠償金を支払った金額を限度に
保険会社に請求する方法となっています。

従って、支払いを証明する領収書が必要となります。
被害者からの本請求は、直接、加害者側の自賠責保険会社に請求する方法です。
内払金や仮渡金などを加害者から受け取っていた場合は、
その金額が保険金から除かれて支給されます。

●内払金と本請求の請求方法

請求方法   被害者請求    加害者請求

内払金請求 損害額の確定前でも、
治療費などで発生した金額が10万円を超える場合に請求することができる。

病院や被害者に支払った金額が10万円を超えた場合に請求することができる。
この場合、領収書が必要となる。

本請求 加害者からの賠償が難しい場合、加害者の加入している損害保険会社に直接、
請求することができる。

すでに損害賠償金を支払った場合、領収書と必要な書類を保険会社に請求する。

☆この時、必要な書類(傷害の場合)は、
・交通事故証明書
・事故発生状況報告書
・自賠責保険支払請求書
・診断書
・休業損害、通院費、付添看護費などの証明書
・印鑑証明書
・診療報酬明細書
・通院交通費明細書
となります。