死亡事故の損害賠償
死亡事故で請求できる損害は、
被害者が死亡するまでの治療費、
葬儀関係費、
逸失利益、
死亡慰謝料であり、
被害者の遺族が相続します。
積極損害として葬儀関係費(通夜、告別式、祭壇、埋葬などの費用)を請求します。
請求の基準額は自賠責保険、任意保険会社、弁護士会でそれぞれ定型化されており、
被害者の年齢、職業、社会的地位などによって金額に差があります。
自賠責保険基準は葬儀費として60万円までは確実に支払われます。
弁護士会基準では原則として150万円が支払いの基準になります。
また、被害者が死亡するまでに受けていた
治療費、入院費、入院に伴う雑費、入院付添費、家族の駆付け費用なども
積極損害として請求します。
消極損害は、死亡による逸失利益を指します。
被害者が生きていれば必要となった生活費分を控除して逸失利益を算出します。
職業によって賠償額が変わるため、
事故前の給与や収入証明などを基に年収の証明を行っていきます。
主婦や学生など、事故時に収入のない者は厚生労働省が毎年発表する
「賃金構造基本統計調査」を基に算出します。
就労可能年数は、原則として死亡から67歳までの期間とされており、
小学生などは18歳から67歳まで、大学生は大学卒業後の年齢から67歳までとなります。
その期間の賠償を逸失利益として請求します。
死亡事故の慰謝料は、傷害事故や後遺障害事故と同様に類型化されており、
自賠責保険、任意保険会社、弁護士会の支払基準を基に算出します。
自賠責保険では死亡者本人の慰謝料として350万円、
遺族の慰謝料として請求権者が
1名の場合は550万円、
2名の場合は650万円、
3名以上の場合は750万円が支払われます。
被害者に扶養家族がいる場合にはさらに200万円を加算します。
任意保険会社の基準はそれぞれの会社によって基準が異なります。
弁護士会基準では一家の支柱の場合は2800万円、
母親や配偶者の場合は2400万円、
その他は2000万円から2200万円前後とされています。