交通事故の現場でしてはならないこと

 

交通事故が起きた際、物事を冷静に判断することが難しい状態になってしまいます。
事故直後では、被害者の怪我の程度や損害の額などはわかりません。

また、事故の原因や発生状況についても正確に把握することは困難であり、
過失割合も明確ではありません。

その際に、現場にて、
自分や相手の判断ですぐに示談や金銭的な約束をしてはいけません。

もし、念書やメモ書き・即決示談を求められた場合には、
自分の加入している保険会社の担当者と話し合いをしてもらうよう相手に求めましょう。

 

 

<事故現場で注意しておくこと>

 

  • 即決示談に応じてはならない

 

「即決示談」とは、事故後に当事者同士が合意の上、
損害額などをその場で現金払いなど、事故自体を処理してしまうことです。

事故現場で相手が「損害賠償金は○○万円払うので…」
と金額を提示してきてもその場で示談に応じてはいけません。

原則として、示談は、取り消しややり直しが出来ません。

そのため、事故で負った外傷の治療費なども保障されないため、
治療費などは全て「自己負担」となってしまいます。

軽い物損事故の場合は、少額の賠償金ですぐに決着がつくこともあります。

しかし、被害が大きくなる事故の場合は、
過失割合の大きさによって損賠額は大幅に異なるので、
軽い気持ちで即決示談に応じてしまうと
、予想外に被害額が大きくて困ってしまうこともあります。

「即決示談を行ってはいけない」というのは、被害者・加害者どちらにも当てはまることです。

 

  • 下手に行動を起こしてはならない

 

自分の過失によって、事故を起こしてしまった場合、
自分に非があると思い、相手に平謝りに謝っておけばいい…というような考え方は避けるべきです。

下手に出て平謝りに謝っても、相手が見逃してくれるというわけではありません。

また、後々「言った」「言わない」などの問題になり、示談でもめるケースもあります。

責任は全部自分にあるような言い方や必要以上の謝罪は、しないように心がけましょう。

ただし、明らかに自分の不注意だとわかっている状況で、
相手を不愉快にさせる態度はよくありません。

相手を心配する気持ちは大切です。

「大丈夫ですか?」「怪我はありませんか?」など、相手を思いやり気遣う態度は表しておきましょう。

 

 

  • 念書は絶対に書いてはならない

 

「念書」とは、念のために、後々の証拠として作成する書面です。
メモ書き程度の書面でも、証拠として重要視されてしまいます。

「交通事故の責任は、一切自分にあり、全額賠償します」
などの念書を書くよう要求されても、絶対に応じてはいけません。

たとえ、加害者が過失を全面的に認めて念書を書いたとしても、
大抵の場合、事故の保険金を支払うのは保険会社になります。

保険会社が100%の過失でないと判断した場合、示談交渉で、もめる原因となり、
最悪の場合、相手側の過失分を加害者が支払うことになってしまうので注意が必要です。