消極損害とは?
消極損害とは、事故によって失われてしまった将来の利益の事です。
人身事故には、後遺損害と休業損害・死亡による逸失利益(将来得られたはずの利益)があります。
物損事故は、人身事故とは異なり、休業損害のみとなります。
消極損害は、次の3つの分類に分けられます。
- 後遺症による過失利益
交通事故によって後遺症を患い、そのため労働能力が低下した場合の減収分
- 死亡による過失利益
交通事故で死亡したことにより、被害者が将来得られたであろうと考えられる所得などの経済的利益
- 休業損害
交通事故による受傷が「完治」、または「症状固定」の状態になるまでの間に休業しなければならなかったことによって生じた減収分
人身事故によって、被害者が死亡または後遺症が残ってしまった場合、
休業損害が補償される期間は、症状固定と診断されるまでとなり、診断後は逸失利益となります。
また、損害を証明するには、被害者の収入を証明できるものと医師の診断書が必要となります。
○休業損害の計算方法
休業損害 = 一日当たりの収入 × 休業日数
ただし、1日あたりの収入が、被害者の働き方によって変わります。
給与所得者の場合の計算方法は、
「事故前3ヶ月の収入÷90×休業日数」となります。
休業損害とは、交通事故で負傷したことによって、支給されるはずだった給与が減ってしまった分の補償のことをいいます。
これは、「休業補償」とも呼ばれます。
○物損事故による消極損害
物損事故の消極損害は、休業損害のみとなっています。
タクシーや運送会社の車両などが破損し、休業した場合は「休車損害」。
店舗などが破損し、休業した場合は「営業損害」となります。
~休車損害~
運送会社のトラックやタクシーなどの営業車両が事故によって破損してしまった場合、
修理または買い替える間に見込まれる収入分の損失となります。
ただし、代替車両を使用して損害が回避できた場合や利益の減少がない場合は認められません。
~営業損害~
事故によって店舗などが破損してしまった場合に営業ができなく生じた損害。
年間利益から1日当たりの利益を計算し、休業した日数をかけて損害額を出します。
修理期間・営業内容・規模・破損した物件の種類なども加味されます。