自賠責保険の場合、事故によって負傷した人を「被害者」、
事故を起こしてしまった人を「加害者」と呼びます。

事故によって、どちらもケガをした場合、
自分の損害に関しては被害者、
相手側の損害に関しては加害者となります。

○損害賠償を請求できる権利がある人
交通事故での損害賠償請求を出来る人のことを「賠償請求権者」といいます。

交通事故に遭い、被害者になってしまった場合、
その損害賠償を加害者に請求できるのは、基本的に被害者本人だけとなっています。

しかし、交通事故によって、被害者が死亡した場合や意識不明の重体などで、
損害賠償請求が出来ない場合もあります。
その場合、請求権が相続され、被害者の相続人が賠償請求権者となります。

○被害者が死亡した場合
交通事故によって被害者が死亡した場合、
被害者本人は当然、加害者に対して損害賠償を請求できません。
その場合、被害者の受けた損害賠償は、
被害者の「相続人」に当たる人に請求権が相続されます。

被害者の配偶者や子供、被害者に家族がいない場合には、
被害者の親に損害賠償の請求権が相続されます。

○被害者も自賠責保険に対して請求できる
自賠責保険への請求方法では、
加害者が保険会社に保険金を請求する「加害者請求」だけでなく、

被害者が加害者の保険会社に直接請求する「被害者請求」もあります。
加害者が死亡してしまった場合などでも、被害者が直接請求することができます。

加害者が被害者に対して賠償を行わないような場合などは、
被害者が保険会社に直接請求できる「被害者請求」を行います。

被害者請求 被害者本人・親権者・遺族・委任された人
加害者から賠償が受けられない場合、
加害者が加入している保険会社に直接請求することもできます。

加害者請求 加害者本人・任意保険会社 加害者本人が
被害者に賠償金を支払った後、保険金を保険会社に請求します。

○請求権の時効

自賠責保険の請求権には時効があり、
被害者の場合は基本的に事故の翌日から2年間となっています
(後遺障害と認められた場合は症状固定日から2年間)。

加害者は、被害者に対して損害賠償金を支払った日から2年間となっています。
長期入院などで交渉が長引く場合は、
必ず「時効中断申請書」を保険会社に提出しておきましょう。

~被害者の時効~

傷害の場合 事故が起きた日の翌日から2年間
死亡の場合  死亡した日の翌日から2年間
後遺障害の場合  後遺障害と診断された日の翌日から2年間